【Tarzan】
忙しい人ほど向いている 超回復×ランニングの合理的トレ。


超回復は、筋トレだけでなくランニングでも応用でき、 週3回のトレーニングで走れるカラダになるらしい! そのメカニズムとは。

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ランニングで超回復って何?

適度に休みを入れて持久力を上げること。グリコーゲン超回復も。 筋力がアップするのはトレーニング後の休息期間中。トレーニングと休息をうまく繰り返すことで通常よりも筋力をアップできる。これが筋トレにおける超回復の仕組みである。 この超回復理論、実はランニングにも当てはまる。トレーニングの間に休息日を入れながら負荷を与えると脚の筋力を高めることができる。 さらには心肺機能の向上、ひいてはランニングに必要な持久力のアップも期待できるのだ。もちろん、トレーニングの間隔は短すぎても長すぎてもダメ。 超回復効果を狙うなら計画的にメニューを組み、その日ごとに回復具合を見極める必要がある。 また、ランニングのエネルギー源となる筋グリコーゲンは、長時間走ることで一度枯渇させてから、その後速やかに炭水化物を摂取することで、 水準以上に回復させることができる(これをグリコーゲン超回復と呼ぶ)のもポイント。これらの仕組みについては後ほど詳しく触れる。

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性差はあるの?

女性は長時間のランでも成長ホルモンは増えない。合間を空けるのがコツ。 超回復の性差は成長ホルモンの分泌量が影響する、と鍋倉さん。 「男性の場合、ランニングの量を増やすほど成長ホルモンの分泌量も増え、その分筋肉の超回復が促されますが、 女性は30分のランでも1時間のランでも分泌量はほぼ変わらず、男性と同距離を走っても筋肉の成長度合いが劣る可能性も。 ただし女性は運動と運動の間隔を4時間程度空けると分泌量が増えるという研究結果があります。女性ランナーは1日のランを朝と夜で分けるとよいのです」

フルを走るとしても、長距離の練習はやらない方がいい?

負担大の長距離ランは何日も休むことになり超回復効果が見込めない。 秋からの本格的なマラソンシーズン、フルマラソンに挑戦する人も多いだろう。特にフル初挑戦だと「練習でも42.195kmに近い距離を走らないと完走できないのでは?」と思っている人も多いはず。 しかし、そんな長距離を走る必要はない。 「フルマラソンに挑戦する場合でも、基本的に週3ペースは崩さないでください。一度のランで60分程度走れて、週の走行時間のトータルが120~180分になればフル完走の準備は整っています。 長距離を走るにしてもハーフマラソン程度まで。それ以上はカラダのダメージが大きく、しばらく練習ができなくなるので超回復が起こらないのです」 長距離ランの代わりに、2時間半〜3時間程度のウォーキングで時間感覚に慣れるのはいいだろう。

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休んだ方がいいなら、週1でもOK?

間隔が空きすぎると超回復効果は得られない。だから週3回がベスト。 負荷をかけた運動の後、しっかり休息を取ることで持久力を高めるランニングの超回復理論。しかし、休みすぎるのは禁物である。 「疲労が残った状態で無理に練習するのは逆効果ですが、反対に間隔を空けすぎるのもカラダが超回復に向かう状態ではなくなり、その効果は期待できません。 同じ頻度で、同じ強度の練習をしばらく続けましょう。結果的に最初の頃より楽に同じ時間走れるようになれば、それが超回復。その頻度の目安が週3ランなのです」

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取材・文/黒田 創 撮影/千葉 諭 スタイリスト/山内省吾 ヘア&メイク/大谷亮治 取材協力/鍋倉賢治(筑波大学体育系教授)