【Tarzan】♥CITY・自転車から街を見る、 いつもより快適だ!


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自転車を単なる移動のツールと考えたんじゃ、もったいないしつまらない。まずは街乗りを楽しむためのグッズや、知っておくべき交通ルールを紹介。今から始める人も自宅に自転車を眠らせている人も、ここから漕ぎ出そう!

交通ルール、知ってた?

歩道でも反対車線でも走っていた迷惑自転車の一掃を目指し、2015年6月1日から道路交通法が厳罰化され、半年で6521件も摘発。
だけどそもそも、交通ルールをしっかり覚えているだろうか。タカをくくるなかれ。このページで総復習して、楽しい街乗りにしよう。

 

最低限、付けるものは付ける。

まず規則として自転車に必須なものを確認。それが右のイラストにあるフロントライト、ベル、リアライトの3つ。「これらは法律で定められたもの。特にフロントは10m先まで障害物が確認できる400カンデラ(15ルーメン)以上のものが必要です」とは自転車ツーキニストという言葉を広めた疋田智さん。3つのうち1つでも欠ければ指導を受ける可能性は高い。
実際に夜も走るなら「身を守るために、車から認識してもらう努力も必要」(疋田さん)。そこで付けたいのが追加のリアライト。頭、カバンの後ろ、シート、スポーク脇など最低2つ付ければ車から見逃されることはほぼなくなる。さらに便利なものとしては右ハンドルのミラー。後方の車を確認できて安心できる。
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ヘルメットは「正しく」被る。

自転車による死亡事故の65%が頭部・頸部の損傷であることを考えると、ヘルメット着用は生死を分けるほど大事。だからこそ正しい被り方を押さえておこう。
まずは後ろのアジャスターを広げる。次におでこの中心部に上下を合わせて被る。2本の留め紐の接点が耳たぶの真下に来るように長さを調整する。紐は人差し指から小指までの4本が入るくらいの余裕をもたせよう。こうすることで、前傾になった際に首が絞まるのを防ぐことができる。
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覚えておくべき標識4つ。

車やバイクへの興味が減ったせいか年々免許を持たない人が増えている。結果、標識を見ても理解できないケースが増えているそう。「そんな人でも自転車に乗るなら知っておくべき標識が上の4つです」(疋田さん)。
余裕があれば指定方向外進行禁止、一方通行も覚えておくと車の動きを読めて安全だ。
また、標識で注意したいのは「自転車は除く」などのように自転車が例外扱いされているケース。パッと見で通れないように見えても、自転車なら進める場合は多いのでしっかり見るようにしよう。
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走るべき所を走る。

標識や、安全対策はわかった。でもどこを走るのが正しいのか。まず知っておくべきことは、歩道は指定がない限り基本的に走ってはいけないということ。基本的に標識などで指定されていない場合や、工事などで交通が困難な場合以外では歩道を通ることは禁止なのだ。特にスポーツバイクなどスピードが出る自転車が通っていいのは車道の左側(キープレフト)なのだ。「自分がスクーターだと思って、それが走る位置を思い浮かべるといいですよ」とは疋田さん。
ただ、そこでも注意すべきことがあるという。「特にビュンビュン飛ばす車が多い幹線道路では、路肩ばかりを走ろうとしてしまいますが、それは間違い。通るには狭すぎるし、傾斜や凹凸があるので逆に危ないです。端から1mくらいを走るのがいいでしょう」。
せっかく自転車を漕ぐなら快適に走れたほうがいい。その代表的なポイントを5つここでは紹介しよう。
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街走りのプロはこう走る。

内を颯爽と走るメッセンジャー。彼らには都会を回る極意があるはず。都内で活躍する自転車便〈T-serv〉の現役メッセンジャー池本祐介さんに話を伺った。
「最も注意すべきは車に常にいることを意識させること。そのためには極端に左に寄らないこと。抜くのに、少しだけ膨らまなければいけない程度の位置を取っておくと自然と注意してもらえます」
また、ルールがわからなくなったら自分がスクーターに乗っているつもりで行動すれば、たいていの場合ルール違反になることはない。
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充実し始めた、都内の自転車環境をレポート。

都内なら車よりもスピーディに移動できる自転車だが、駐輪スペースの確保は意外と大変。路上に止めれば違法駐輪で回収、盗難の恐れも。安心して止められる駐輪場を賢く使おう。

 
 

都内の駐輪場を活用しよう。

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1.新宿バイクステーション
屋内65台収容。シャワーは提携施設で利用可能。月額7,000円から。スーツ用ロッカー3,000円。東京都新宿区新宿4-2-23、☎03・3218・1900。

 

2.ロードバイクパーク
屋内23台収容。月額7,800円から。シャワー、ロッカーあり。24時間セキュリティ。東京都新宿区高田馬場3-7-10、☎080・5912・1188。

 

3.ペダレスト西新宿
屋内15台収容。月額9,800円(小ロッカー付き)。シャワーあり。東京都渋谷区本町3-20-2 西新宿倉庫101、☎03・6276・6643。

 

4.GranDiver(グランディヴェル)
屋内8台収容。月額8,600円から。シャワーあり。初期登録料とカードキー保証料計2,500円。東京都渋谷区千駄ヶ谷1-13-11、☎03・6447・2468。

 

5.MARUNOUCHI Bike&Run
屋内71台収容。月額16,200円から。都度利用900円。シャワーあり。東京都千代田区丸の内1-5-1新丸の内ビルディングB1F、☎03・6269・9806。

 

6.HIBIYA RIDE(ヒビヤ ライド)
屋内117台。月額15,400円から。都度利用1,500円。シャワー、ロッカーあり。東京都千代田区日比谷公園1-2日比谷駐車場B1F、☎03・3591・1462。

 

7.秋葉原 UDX 自転車駐輪場
屋内42台収容。月額19,000円。都度利用6時間150円。24時間防犯カメラに加え有人管理。東京都千代田区外神田4-14-1、☎03・5289・0989。

 

8.B-box by ECOPOOL 日本橋富沢町駐輪場
ロッカー内15台収容。7,020円。縦置き型のロッカー。1台につき4か所の施錠場所を設置。東京都中央区日本橋富沢町13-9、☎03・6417・0685。

 

9.AGサイクルステーション(赤羽ステーション)
ロッカー内4台収容。月額7,000円。シャワーあり。東京都北区赤羽1-41-7。ほか神楽坂、千歳烏山など(シャワーなし)。☎03・6912・9751。

 

10.DELAPIST CYCLE GARAGE
屋内50台収容。月額12,000円。都度利用1,540円。シャワー、ロッカーあり。東京都港区麻布台1-1-8シャトレ麻布101、☎03・6277・6543。

 

11.こうなん星の公園 自転車駐車場
屋内1,020台収容。月額1,800円。利用時間午前4時30分〜午前1時30分。機械式は六本木と新橋にも。東京都港区港南1-9-24、☎03・3578・2349。

 

12.広尾駅自転車駐車場
屋内195台収容。月額1,800円。都度利用1日150円。回数券(11回)1,500円。2016年新設。東京都港区南麻布5-1-25、☎03・5420・1171。

 

13.Vacancy Office Gotanda
屋内7台、倉庫内2台。コワーキングスペース会員は屋外の利用無料。会員向け月額7,000円。東京都品川区大崎4-1-7、gotanda@vacancy.jp

 

14.B-SPACE
室内8台収容。月額13,000円から。シャワー、ロッカーあり。東京都品川区西五反田4-32-1東京日産西五反田ビル別館1F、☎03・6417・0685。

 
 
 

レンタサイクルって手もある。

まだ自転車を手に入れていない人や、街乗りを味わってみたいならレンタサイクルを使うのも面白い。現在東京都では2020年のオリンピックを見越して各区で行っていたレンタサイクルを横断的につなげる試みを行っている。料金も港区なら30分150円からと格安。都内を走る感覚をまずこれで摑むのも手だろう。

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取材・文/緒方太郎 撮影/山城健朗、石原敦志 スタイリスト/山内省吾 イラストレーション/海道建太
取材協力/疋田 智(自転車ツーキニスト)、三井裕樹(Rapha Japan)純司