【Tarzan】この症状は中止か継続か、 燃えすぎ診断でケガを防ぐ。


燃えて走っていると痛みが出てくることもある。サインを見逃さずに、次のチェックで継続を判断。

ランニングにケガはつきもの。走行時は歩行時の約4〜6倍の重力が脚にかかるため、痛みが出るのも当然といえば当然。燃えすぎで脚に違和感を感じたらできるだけ早めの対処を。
走っていて不快感が出たら、まずはペースダウン。それでも痛みが治まらない場合は数か所ストレッチをして、もう一度歩いてみる。歩いても立ち止まっても痛みが消えない、または悪化する場合は即座にランニングを中止。「違和感はあるけど続けられそう」という軽度の場合のみ、次の対処法に移る。痛みが出るとその局部をさすったり揉んだりしがちだが、実は原因となる場所は他に存在している可能性が高い。根治を目指すには、イラスト一番右の対処法で大元となる場所をケアしよう。

01.膝の内側

たくさんの腱が集まる場所は負担が多くかかりやすい。
ランニング中に膝が内側に入りやすい、または膝から下が外を向きやすい、という人は要注意。膝の内側の鵞足部(筋肉に繫がる腱が集中している部分)で、腱と骨、もしくは腱同士が擦れて痛みを引き起こすことがある。負担がかかったままの状態で長い距離を走り続けると、鵞足炎に発展する恐れも。まずはペースダウン、続いて下の応急処置を。
Tarzan_689_01

02.膝の外側

腸脛靱帯の痛みはランナーの泣きどころ。
ランニング中に症状が頻繁に表れるのが、膝の外側の痛み。悪化するといわゆる〝ランナーズニー〟と呼ばれる腸脛靱帯炎に繫がる可能性もある。膝の外側に付着する腸脛靱帯が、骨の出っ張った部分と擦れて炎症を起こしているのが原因。根治させるには、腸脛靱帯と繫がっている股関節付近の筋肉を目覚めさせることも必要。
Tarzan_689_02

03.足の裏

反復練習で起こりうる足裏筋膜の炎症にご注意。

朝ベッドから起き上がり、足を一歩踏み出した時に電気が走るような痛みを足裏に感じた場合、もしくは走行中に体重を乗せられないほどの痛みが生じた場合は、即座にランニングを中止すべき。足裏の筋肉が炎症を起こす足底筋膜炎の恐れがある。走行中違和感が出たら徐々にスピードを落としストレッチ。痛みが和らぐようであればマッサージに移ろう。
Tarzan_689_03

04.ふくらはぎ

ふくらはぎの弾力がないと痛みを発症しやすくなる。
一口にふくらはぎの痛みといっても、疲労が蓄積したもの、筋線維損傷によるもの、筋断裂により肉離れを起こしている状態など原因はさまざま。歩行困難な場合は有無を言わさずストップだが、軽度の場合はまず、ストレッチして様子を見る。その後、ピンポイントで関連部位を攻める。痛みが出たからとむやみに揉みほぐすのは危険。
Tarzan_689_04

05.脛

長い期間放置すると骨折に繫がる危険あり!
脛の鈍い痛みもまた、ランナーにとっては大きな障害。痛みが軽いからと油断すると、シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎)に発展しかねない。根治には早めの対処が必要だ。ランニングのように蹴り出しを繰り返すと、そのたびに筋肉が収縮し、脛の骨を覆っている骨膜が引っ張られて炎症を起こす。収縮した筋肉の緊張を解くことからまずは始めよう。
Tarzan_689_05
取材・文/黒澤祐実 イラストレーション/どいせな 取材協力/高橋昌之(アスレティックトレーナーATC)、KMAPカイロプラクティック&スポーツセラピー