【Tarzan】
今が旬! 美味しさも栄養もたっぷりの夏野菜サラダ。


調理が簡単で美味しいサラダは、夏の食卓に欠かせない。栄養価が高い旬の野菜をたっぷりいただこう。

[トマト]強力な抗酸化作用を持つ機能性成分リコピンががんや生活習慣病を予防。

トマトが赤くなると医者が青くなる」「トマトのある家に胃病なし」といわれるほど、栄養価が高いトマト。成分の中でも特に注目なのが、赤い色のもとであるリコピンだ。
天然に存在する色素、カロテノイドのひとつであるリコピンには強い抗酸化作用があり、その力はビタミンEの100倍以上といわれる。がんや生活習慣病などの原因となる、過剰な活性酸素の働きを抑える効果が期待できるのだ。 他にも脂肪の代謝を助けるビタミンB₆や血圧を下げるルチンなど、魅力的な栄養成分たっぷりのトマト。品種もいろいろあるので、味比べを楽しみながら、積極的に食べたい。

●主な栄養成分
リコピン、ビタミンC、A、B₆、カリウム、ルチン ●主な種類
熟しても実が崩れにくい「桃太郎」や果頂部が尖った形が特徴的な「ファースト」が代表品種である一般的な大玉トマト、甘みが強い一口サイズのミニトマト、栽培時に水の量を抑えることで糖度が増すフルーツトマトなど。
●選び方
小さめで重量感があり、全体が赤く染まったもの、皮にはツヤと張りがあり、形が丸く身が締まっているものがよい。
●保存方法
青みが残っているものは常温で果皮が赤くなるまで追熟させて保存。完熟したらポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室へ。

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[ゴーヤ]苦み成分で食欲増進、ビタミンCで疲労回復、夏バテ対策に欠かせない。

ゴーヤはもともと沖縄での呼び名で、和名は「ニガウリ」もしくは「ツルレイシ」。1993年に沖縄県産の野菜や果物が県外に出荷されるようになり、「ゴーヤ」という呼び名とともに全国に普及した。
特徴である苦みは、キュウリやスイカなどにも含まれるウリ科の植物に特有の成分、ククルビタシンの一種であるモモルデシンによるもの。 モモルデシンには胃液の分泌を促すことで胃粘膜を保護したり、食欲を増進する作用があるとされており、夏バテ予防効果が期待できる。 加えてビタミンCも豊富なことからさらなる疲労回復作用も望めるとあって、夏場には欠かせない存在だ。

●主な栄養成分
ビタミンC、ベータカロテン、カリウム、マグネシウム
●主な種類
一般的な「ゴーヤ」、皮が白くて生食に向いた「白ゴーヤ」、イボの凹凸が少なく苦みも少ない「なめらかゴーヤ」、長さ10㎝ほどの「ミニゴーヤ」など。
●選び方
イボが密に詰まってツヤと張りがあり、重みのあるものが新鮮。黄色く変色していたり、イボが黒ずんだりつぶれているものは避ける。色が濃く、イボが小さいほうが、苦みが強い傾向にある。
●保存方法
丸ごとの場合は新聞紙に包んでから、カットしたものはワタと種を取り、ラップで包んでポリ袋に入れ、冷蔵庫へ。

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[カボチャ]男性にも増えている夏の冷え性対策にはカボチャのビタミンEを。

野菜の中でもトップクラスの栄養価を誇るカボチャ。免疫力を高めるカロテンと、血流を促進しカラダを温めるビタミンEを多く含んでいる。
また、抗酸化作用のあるビタミンCも豊富。体内でビタミンAに転換し肌の老化を防ぐカロテンとの相乗効果で、美肌づくりに最適な食材だ。 冬至に食べると風邪をひかないといわれているが、その旬は、じつは夏。冷房の効いた室内で過ごすことが多い現代人は冷えの改善のため、そして強い紫外線を浴びた肌のためにも、夏にこそ食べたい野菜なのだ。 実よりも皮に、多くのカロテンを含むカボチャ。調理は皮ごと、が鉄則であることをお忘れなく。

●主な栄養成分
カロテン、カリウム、ビタミンC、B₁、B₂、E、カルシウム、鉄
●主な種類
「えびす」を代表とする広く流通している黒皮栗カボチャ、手のひらサイズの小さな日本カボチャの「坊ちゃん」、果皮がオレンジでねっとりとした食感を持つ加賀野菜「打木赤皮甘栗」など。
●選び方
ヘタが乾燥し、まわりがくぼんでいることが完熟の証し。重量感があり、皮が硬くて形は左右対称のものがよい。カット売りのものは果肉の色が濃く肉厚で、大きな種が密に詰まっているものを選んで。
●保存方法
カットしたものは種とワタを取ってから、ラップで包んで冷蔵庫の野菜室へ。

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[オクラ]ペクチンとムチン、Wのネバネバパワーで免疫力をアップさせる。

ついつい、冷たいものばかり口にしてしまう夏。カラダが冷え、負担がかかってしまう胃を守るために食べたいのが、プチプチした種の食感と独特の粘りが持ち味のオクラだ。
ネバネバとしたぬめりは、水溶性食物繊維のペクチンと、糖類とタンパク質の複合体であるムチンによるもの。ムチンは胃液や唾液にも含まれる、粘膜を強化したり、タンパク質の消化吸収を助けてくれる成分だ。 他にもカロテンやビタミン群などカラダの免疫力を高める成分が豊富で夏バテ予防にうってつけのオクラ。タンパク質分解酵素は熱に弱いので加熱は最小限にすることが成分を有効に摂取する秘訣だと知っておこう。

●主な栄養成分
ペクチン、ムチン、カロテン、ビタミンB₁、B₂、C、カリウム、カルシウム、マグネシウム
●主な種類
切り口が星形になる一般的な「五角種」、生では赤い果色の「赤オクラ」、大型でさやが丸い「丸オクラ」、生食に向いた淡い緑色の「白オクラ」など。
●選び方
濃い緑色で、産毛が密生したもの。ヘタの部分が変色していないかも確認する。育ちすぎたものは筋張って食感が悪くなるので、大きすぎないものがよい。
●保存方法
乾燥と低温に弱いので、新聞紙でくるみ、ポリ袋に入れてから冷蔵庫の野菜室へ。冷えすぎないように注意する。

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[枝豆]二日酔い防止効果大。ビールのお供に最適な夏の美味しい風物詩。

夏といえば、まずはビール! そして枝豆! という人も多いはず。夏の風物詩ともいえる、相性抜群なこの組み合わせ、じつはカラダにとって、理にかなったものなのだ。
大豆が熟する前に収穫した、若い種実である枝豆。畑の肉と称される大豆と同様に良質のタンパク質、脂質、炭水化物が豊富であるのに加え、ビタミンB群とCという、大豆にはない栄養分も含まれている。 ビタミン群とタンパク質にあるアミノ酸メチオニンにはアルコールの分解を促して肝臓や胃を守る働きがあり、二日酔い防止効果が期待できる。つい飲みすぎてしまう夏の健康管理に欠かせない、頼もしい存在だ。

●主な栄養成分
タンパク質、糖質、脂質、ビタミンC、B₁、B₂、葉酸、カルシウム
●主な種類
「玉すだれ」や「サッポロミドリ」などの多くの品種がある一般的な枝豆、香りが高く、甘みが強いのが特徴の「茶豆」、正月の食卓に欠かせない黒豆の未熟果である「黒豆」など。
●選び方
さやごしでもふっくらと粒の揃った豆の形が、くっきりとわかるもの。枝付きの場合、さやが密集したもの。産毛がきれいについているものが新鮮。
●保存方法
鮮度の低下が早いので、その日のうちに食べ切りたい。枝から切り離すと味が落ちるので、すぐに茹でるようにする。

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取材・文/山中 純 撮影/谷 尚樹 スタイリング協力/ババグーリ(ヨーガンレール☎03・3820・8805)