“レース燃え″で自分に挑戦! サブ4目標の女子モデルを紹介。


〈東京ガールズラン〉は、レースで好成績を収めていると話題に。なぜモデルが? その秘密に迫る!Tarzan_689_12

モデルたちが、マラソン!? どうせ6〜7時間かけて、歩いて泣きながらゴールするんでしょ?と、色メガネで見られてしまうことも多いのがランニング業界の厳しさ。
しかしながら、この〈東京ガールズラン〉(TGR)は、ジョガーとしてだけではなく、ランナーとしてもレースに出場している。
目標を決め、達成していく。アスリートではないが、本気の「レース燃え」チームだ。普段はモデルやタレントとして活動する、普通の女の子。運動経験はそれぞれ。全員が年間を通して少なくとも一度はフルマラソンに挑戦することが課せられている。
毎月一度の全員で行う練習会、日々の個人練習。コーチのカウンセリングを受け、個別に距離やスピードのノルマを設定し、自分との闘いが始まる。
レース前には、コーチの勧める過酷なコース、峠走を実施。神奈川と静岡の県境の足柄峠を、往復25㎞強、何度も走りに行って太腿を鍛える。例外はない。練習するもしないも、自分次第。
その結果、今では、TGRからサブ4ランナーが続出している。大人になって、何かの目標を達成するという機会が少ないなか、レースに出るという経験は、「ポジティブになった」「自分自身と向き合う機会が増えた」と、精神的な安定感を与えてくれる。これは、モデルたちが「レース燃え」する大きな理由だ。同じ経験を通して、一生の友人に出会えたというメンバーもいる。皆が同じゴールを目指すマラソンは、普通の女の子だった彼女たちに、大きな達成感と、自信をもたらしてくれる。次のページを見れば、その成果とともに、あなたもレースに挑戦したくなるような「レース燃え」のパワーがみなぎってくるはず。



一歩は1㎞、1㎞は100㎞へ。レースならではの達成感が好き。

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TGRの3期生ゲストランナーとして運動経験ゼロのまま参加することとなったのは、テレビでも話題の水沢アリー。
2014年8月に参加し、2か月半後のグアム ココハーフマラソン&駅伝リレーの出場が決まってのスタートだった。「正直、グアムに行けるって聞いてやろうと思った(笑)。最初は1㎞も無理。帰宅部部長で、運動は全然してこなかった」。
しかし、練習が始まると、彼女は、努力家だった。忙しい毎日のなか、ロケや、睡眠時間の少なさを言い訳にすることなく、時間があれば、コーチに言われた通りのノルマを達成するため、一日に何度でも練習をしていた。グアムはもちろん、見事完走。蒸し暑い環境のなか、なぜこんなことをしているんだろう?と走りながら疑問に思うこともあったというが、彼女の挑戦は続くことになる。
その後、出走することになった東京マラソン2015は、初のフルマラソン。練習では、本格的に雪の降るなか、箱根の山を25㎞上って下りる峠走に挑み、4時間34分18秒と、好成績を収めた。彼女がレースに出るまでにサボったり弱音を吐いたりした様子を見た者はいない。
「一歩は1㎞につながるし、1㎞は100㎞につながるよ」と、今では、そうアドバイスできるまでのランナーに成長した。
趣味ができて嬉しいと、ノルマを課さずに10㎞くらい走ることも多いという。先日も、テレビ番組の企画で100㎞を2日かけて走り切るという仕事を果たしたばかり。もはや、水沢アリーは、走れるタレントとしても認知されてきている。



小さいカラダで最速。じゃじゃウーマンの快進撃。

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3期メンバーとして参加した初の大会、軽井沢ハーフマラソンでは、1時間44分38秒という好成績。先輩メンバーに10分以上の差をつけてゴール。
その日から2年、横地尚子の記録を破ったメンバーはいない。
この時、楽しく走って、美しく!というエクササイズ的なランニングに、せっかく走るなら、タイムにも挑戦したいというモデルたちの負けず嫌いな部分に火をつけたのが、彼女だった。
実際、3期生からは、TGR始まって以来の好タイムが続出した。彼女本人が大会直前、足をくじいて出場を危ぶまれた東京マラソンでは、3時間39分29秒という記録を出すことができた。同じくサブ4メンバーの大木も自己ベストを更新する結果を残した。「足をくじいていたことより、タイムの方が思い出に残っている」という横地。
最近では、マラソンはひとりで競争をするというだけではなく、それぞれの楽しみ方で、全員でゴールの感動を分かち合うチームのスポーツという意識が高まり、よりチームの体調やメンタルを気にするようになった。
現時点で、レースに向けてコンディションを整えることはもちろん、日々の練習で、自分のカラダの変化に気づき、自己管理の重要性に気づいた彼女。ランニング中の栄養補給や、レース前のエネルギー補給もできるだけ自分のカラダの求める野菜を摂るようにしている。
それを、自己流で研究していくうちに、野菜たっぷりのサラダサンドイッチを販売するビジネスを始めてしまったほど。彼女のじゃじゃウーマン的好奇心&向上心は止まらない!



こんな悔しい思いはしたくない、TGR最年少が誓ったホノルル。

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2015年12月に行われたJALホノルルマラソン。金城茉奈は生まれて初めて海外に出ることに。そこで初のフルマラソンに挑戦することとなる。
もともとカラダがあまり強い方ではなく、持久走もすごく苦手だったという彼女。
「そんな自分をなんとか変えたくて受けたのがTGRのオーディションだったんです」
実際ランニングを始めてみると、筋肉量の少なさや、タイムも意識できない余裕のなさに、何をしたらいいかもわからず、毎回「辛い」という感情だけが溜まっていってしまうこともあった。
ホノルルが決まり、気持ちだけが先走ることもあるなか、できる限りのことを精一杯やりつづけた。すると少しずつ、カラダが元気になって疲れにくくなっているのを感じていた。
そして迎えた当日。残念ながら、途中棄権。みんながゴールしている様子を見るのが耐えられない自分。完走のメダルを見るのも悔しかった。
一方で、そんな気づきを与えてくれたホノルルの地が好きになり、「こんな悔しい思いは二度としたくない。必ずリベンジしたい。1年遅れでもいいから追いつきたい」と思うように。
自分でも不思議なくらい強い思いだと語る彼女。
そんないきさつもあり、来期もTGRメンバーに残留することが決まっている。今後、20歳の彼女がどんな変身を遂げるのか?
まずはTGR恒例の、5月の軽井沢ハーフマラソン。ゴールは、日々、一歩ずつ確実に近づいていることを信じて……。



ミステリーハンターとしても活躍、名実ともにTGRのリーダー。

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2期生として参加した2年前、初フルをホノルルマラソンで完走すると同時に3時間57分というタイムでサブ4ランナーとなった大杉亜依里。彼女は、TGRでランニングを始めてから、4㎏ほど痩せ、ヒップに厳しい国、ブラジル出身のモデルの友人に、ヒップラインを褒められるほどキレイに上がったのを実感している。痩せて、キレイになったと言われることも増え、モデルやタレントの仕事をしているなかでも以前よりもかなり自信を持って臨むことができるようになっていることは、周りの友達やTGRのスタッフたちから見ても明らかだ。
「タイムを目指すということで、物の見え方が変わりました。仕事でオーディションに受かるようになり、念願のお仕事がいただけていることも、そのおかげだと思っています」。レースで目標タイムを設定し、達成を重ねたことで、人生に動きが出てきたという彼女。
「レースに何度も出ているなかでは、練習や本番で、思うようにいかないことももちろんあります。でも、そんな時、何がだめなのか、原因はなんだったのかきちんと自分と向き合うことができるようになりました」
同じ失敗をしないよう、毎回何がよくて何が悪いかの不安を減らして、自然と自分に自信が持てるようになってきた彼女。
TGRを3年続けていくなかで、周りをよく見るようになり、人のことを考える余裕からか、表情もかなり優しくなった。
今のTGRではみんなが彼女を目指し、頼りにしている。名実ともにチームを引っ張るリーダーだ。



ウルトラマラソンにだって挑む強い精神力の猪突猛進タイプ。

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「今ではマラソンに出会えて本当によかったと思えているし、もっと負けないように頑張りたい」と、TGRでは、月間走行距離は最長、常にストイックに練習を続ける2期から参加の先輩メンバー大木美佳。
42.195㎞では満足できなくなり、自ら70㎞のウルトラマラソンにも参加した2015年秋。15㎞地点で派手に転んでしまうも、エイドまでの5㎞、タイツが破れ、膝から血を流しながら辿り着いた。
「エイドスタッフの〝やめますか? 棄権します?〟の声を振り払い、そこからは後先考えずに走り続けました。50㎞を越してからは、いわゆるランナーズハイ(笑)」。70㎞のゴールまで、楽しく軽やかに走り抜けることができたんだそう。
レースという目標ができると、好きなワインも一切飲まずに走り込みを始める彼女。
「転んでも走り続けたウルトラマラソンで、メンタルの強さを改めて感じ、仕事にもプライベートにも少しずつ自信が持てるようになった」と言う。
TGR3期に入ると、いい意味でのライバルの出現で、「TGR内で1番を取ることができなくなり、フルマラソンを何度走っても自信が持てない部分があった」と明かす彼女。
70㎞を走り終えた今、彼女には東京マラソン2016が控えている。「目標設定は3時間30分を切ること。やると決めたからには、逃げずに自分自身と闘いたい。人気のレースである東京マラソンで記録を出したい。モデルとしても、一人の女性としても、一歩前進したいので。私、頑張ります!」。



TGR4期の優等生。初のフルマラソンでサブ4達成。

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4期生としてTGRに参加したことで、「マラソン」というものに初めて出会った。
マラソンシーズン突入の秋、北陸新幹線の開通によって、人気の城下町を走る、第一回金沢マラソンが、梅本静香の初挑戦の日となった。
「金沢マラソンに出ることが決まってから本格的に週に3〜4回、最低でも5㎞以上をきちんと走るようになりました。峠走の洗礼も受けて、ずいぶん脚のラインも引き締まり、ヒップアップも。メリハリのある体型になるにつれて、走るのがラクになっていくのを実感しました。それが自分に対しての自信になっていくのがわかりました。モチベーションを保とうと努力したというよりは、練習をしていくうちに、走らないと気持ちが悪いくらいになってしまい、続けている感じですね。TGRに参加当初は3㎞を走るのもやっと。でも、先輩メンバーの亜依里さんやコーチにアドバイスをもらいながら、少しずつ距離を増やして、ビルドアップもできるようになっていきました」
もともと、カラダのバランスがよく、コーチからは速く走る素質があると言われていた彼女だが、真面目にきちんと練習すればするほど、ランニングは、運や才能ではないということを実感していった様子。膝の痛みが出た時には、不安の一方で、応援してくれるTGRのみんなや、コーチやスタッフの力強いサポートを感じたという。目標のサブ4達成は、もはや梅本静香個人としてだけではなく、TGRのチームとして結果を残したい!という気持ちと責任感に変わっていった。

取材・文/恩田歩美 撮影/山城健朗 写真提供/TOKYO GIRLS RUN